Word 2003 のオプション (編集と日本語入力) (3)

編集オプション (Editing options)

スタイルの更新のメッセージを表示する (Prompt to update style)

スタイル (見出し等) が適用されたテキストに対して, ユーザーが書式に変更を加えた後に, ふたたび同じスタイルを適用しようとしたときに, プロンプトを表示して, ユーザーに処理 (書式の変更内容をスタイルの定義に反映させるか / 書式の変更を取り消すか) を選択させます.
※この機能を使えるようにするには, 「書式の履歴を維持する」オプションを ON にしておく必要があります.
※ただし, 「標準」というスタイルに対して書式を変更した場合には, この機能が働かないようです.

実行例:

  1. 白紙の文書に「旅行計画 (2007年)」と入力します.
  2. このテキストに対して, スタイル「見出し1」を適用します. (テキストを選択した状態で, 「書式」メニューの「スタイルと書式...」を開いて, スタイルと書式の一覧の中から「見出し1」を選択します.) スタイル「見出し1」はディフォルト設定では, (日) MS ゴシック, (英) Arial, 12pt 等になっています.
  3. つぎに, このテキストの書式を変更します. このテキストを選択した状態で, 「書式」メニューの「フォント...」を開いて, たとえば,
    • 日本語用のフォント: MS Pゴシック
    • 英数字用のフォント: (日本語用と同じフォント)
    • サイズ: 14pt
    のように変更します.
  4. すると, 先ほど開いたスタイルと書式の一覧に, 「見出し1 + MS Pゴシック, 14pt」という項目が追加されます. (これが, 「旅行計画 (2007年)」というテキストに現在適用されている書式です.)
  5. このとき, もとのスタイル「見出し1」をクリックすると, つぎのようなプロンプトが表示されます.

    スタイル名 見出し1
    次のどちらかを選択してください:
    ○スタイルに登録されている書式を更新する
    ○選択した箇所の書式をスタイルに登録されている書式に戻す

    □スタイルが自動的に更新されるように設定する

  6. ここで,
    • 「スタイルに登録されている書式を更新する」を選択すると, 「見出し1」の書式が先ほどの「見出し1 + MS Pゴシック, 14pt」に変更されます. (そして, 「見出し1 + MS Pゴシック, 14pt」という項目が削除されます.) これ以降, スタイル「見出し1」を適用した場合は, "(日) MS ゴシック, (英) Arial, 12pt" ではなく, "(日) MS Pゴシック, (英) (日本語用と同じフォント), 14pt" になります.
    • 一方, 「選択した箇所の書式をスタイルに登録されている書式に戻す」を選択すると, 先ほどテキストに適用した "(日) MS Pゴシック, (英) (日本語用と同じフォント), 14pt" が取り消されて, もとの「見出し1」 ((日) MS ゴシック, (英) Arial, 12pt) に戻ります. (そして, 「見出し1 + MS Pゴシック, 14pt」という項目が削除されます.)
    • 「スタイルが自動的に更新されるように設定する」はオプションです. これにチェックを入れると, ユーザーがスタイルを適用したテキストの書式に変更を加えるたびに, 自動的にスタイルの書式も更新されるようになります.

書式の履歴を維持する (Keep track of formatting)

このオプションが ON の場合は, ユーザーが書式をどのように変更したか記録されます.
※このオプションを ON にしておかないと, 「スタイルの更新のメッセージを表示する」および「書式の不統一を記録する」機能が使えないようです.

書式の不統一を記録する (Mark formatting inconsistencies)

文書内で, よく似ているけれども少しだけ異なっている書式が複数見つかった場合に, それらの中で最も頻繁に使われている書式以外の箇所を強調表示 (テキストの下に青い波線で表示) して知らせる機能です.
※この機能を使えるようにするには, 「書式の履歴を維持する」オプションを ON にしておく必要があります.
※「よく似ているけれども少しだけ異なっている」の判定基準は, フォント・サイズの差が 10% 以下とか, インデントの差が 6.1mm以下などです. (cf. http://support.microsoft.com/kb/284956/ja)

たとえば, 文書内のテキストの大部分が「MS Pゴシック 12pt」で書かれていて, 1箇所だけ「MS Pゴシック 11pt」になっていると, その (11pt の) 箇所に青い波線が表示されます.